WordPress公式のCoreチームブログは2026年11月2日、Gutenberg 24.3(10月28日リリース)の内容をまとめた記事を公開しました。複数のブロックにまたがってテキストの書式を指定できるようになったほか、メディアインサーターの刷新、保存失敗時の情報の強化、Node.js 22以上の必須化などが入っています。この記事では、テーマやプラグインを作る開発者の目線で、Gutenberg 24.3の変更点のうち影響が大きそうなものを整理します。
なお、同リリースにはWordPress 7.1.4のセキュリティ修正が含まれていて、更新が推奨されています。7.1.4の内容は当サイトのWordPress 7.1.4公開の記事も参照してください。
複数ブロックの選択に、太字や色などの書式が効く
いちばん目立つ変更は、複数のブロックにまたがって選択した範囲に、書式コントロールが使えるようになったことです(PR #58913)。Coreチームの記事も、これを今回の目玉の機能として扱っています。関連して、選択範囲のドラッグ(#81602)、ドラッグによるテキストの移動(#81603)、同じブロックの中でのShift+クリック時に選択が維持される動作(#84579)も加わっています。
ブロックを作る側の目線では、選択範囲が複数ブロックにまたがる場面が増えるので、自作ブロックのリッチテキストやカスタム書式が、そうした選択でも壊れないかを一度確認しておきたいところです。
保存に失敗したとき、原因が見えるようになる
保存失敗の通知に、内容のコピーと「詳細の表示/非表示」のボタンが付きました(#82496)。サーバーから応答がないまま自動保存が失敗したときは、その説明と、取得できた場合はHTTPステータスが表示されます(#85157)。次の自動保存までのカウントダウンも出て(#84656)、あとの保存が成功すれば失敗の通知は消えます(#84649)。
「保存できない」という報告を受けたとき、通知の内容をコピーして共有できると、原因の調査が進めやすくなりそうです。
メディアインサーターはDataViewsのグリッドに
メディアインサーターが、DataViewsのグリッド表示に変わりました(#82749)。音声など、画像・動画以外のファイルにもプレビューが付いています(#84882)。メディア関連では、アニメーション画像のサブサイズがデフォルトで生成されるようになり(#80385)、HEICからJPEGへ変換するときにEXIFメタデータが残るようになりました(#82040。変換はクライアント側の処理です)。
パターン、ナビゲーション、デザインツールの調整
- インサーターの「My patterns」が「Site patterns」に名前を変え、作者での絞り込みが加わりました。読み取り専用の同期パターンも一覧に出て、デタッチできます(#84680、#84661など)。
- サイドバーのリストビューから、リンクをポップオーバーで編集できます(#84005)。空のナビゲーションメニューでも、サイドバーからインサーターが出ます(#84003)。
- Post Titleのfit text、Quote/Pullquoteのwriting mode、背景クリップのUIなど、多くのブロックでデザインのサポートが増えました。
- ノートには❤️🎉😄👀🚀の絵文字リアクションが付き(#76767)、未送信のノートには下書きマーカーが出ます(#84125)。
- 視覚効果を減らす設定(reduced motion)のとき、背景動画(Coverブロック)やフロントエンドの動画が自動再生されなくなりました(#83853、#84308)。
開発環境と拡張まわりで注意したい点
開発者への影響が大きいのは次の3点です。
- Node.js 22以上が必須になりました(#84313)。Gutenbergをソースからビルドしている人は、Nodeのバージョンを確認してください。
- コアのエンティティのアクションとフィールドを、サーバー側で登録できるようになりました(#84650など)。「fields」は「entity fields」に改名されています(#84691)。
getBlockSupportとhasBlockSupportは、featureのパスの配列を受け付けます(#84708)。 - いくつかのコンポーネントがSCSS Modulesへ移り、Emotion関連の依存関係などが削除されました。
@wordpress/lazy-importパッケージも削除されています(#84128、#84318)。ESLintでは、新しいファイルにTypeScriptが必須になりました(#84829)。
記事には「非推奨」という独立した見出しはありません。該当するのは、インサーターの利用箇所をNoticeへ移してTipコンポーネントを非推奨にした変更(#84197)と、useSettingの非推奨警告に移行のヒントが付いた変更(#85100)の2件です。
筆者の見方:CSSとカスタム書式を持つプラグインは確認を
ここからは筆者の見方です。24.3の目玉は複数ブロックの書式指定ですが、開発者にとって手間になりそうなのは足回りの変更です。Emotion関連の依存関係が削除されたので、@wordpress/componentsの内部のclassや構造にCSSを当てているプラグインは、見た目が崩れていないかを確かめる価値があります。また、複数ブロックにまたがる書式が使えるようになるため、registerFormatTypeで作ったカスタム書式が、そうした選択でも意図どおりに動くかを見直すきっかけになります。TypeScriptやNode.js 22以上の必須化は、Gutenbergへ貢献する人の前提を変える変更です。
Gutenbergプラグインの最新版をテスト環境に入れて、複数ブロックの選択、メディアインサーター、パターンの表示名の変更あたりを一通り触っておくと、WordPress本体に入ったときに慌てずにすみます。どの変更がどのWordPress本体のバージョンに入るかは、今回の記事からは確認できていません。
参考にした公式情報
- What’s new in Gutenberg 24.3? (28 October)(Make WordPress Core)
- WordPress 日本語版 リリース一覧(WordPress.org)
2026年11月4日時点の情報です。

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