WordPress 7.2 の Beta 1 が2026年10月20日に公開されました。最終リリースは2026年12月8日の予定です。Beta 1 は最初のテスト版で、今後の Beta・RC でも調整が続く段階です。公式発表には、Secrets API、Abilities API と Interactivity API の拡張、ブラウザ内での画像処理によるアップロードの効率化などが並んでいます。テーマやプラグインを作る人が、いま確認しておきたい点を整理します。
Beta 1 を試す4つの方法と、本番には入れないという注意
公式が案内している入手方法は次の4つです。
- WordPress Beta Tester プラグインを入れ、「Bleeding edge」チャンネルと「Beta/RC Only」ストリームを選ぶ
- Beta 1 の zip(wordpress-7.2-beta1.zip)を直接ダウンロードして入れる
- WP-CLI で
wp core update --version=7.2-beta1を実行する - WordPress Playground の 7.2 Beta 1 を、ブラウザで開く(設定不要)
公式発表は「Beta 版はテストと開発のためのもの」と明記し、本番環境や業務上重要なサイトにはインストールしないよう求めています。ローカルやテスト用の環境で試してください。不具合を見つけたら、Alpha/Beta サポートフォーラムで共有するか、再現手順があれば Trac にチケットを立てられます。
プラグイン・テーマ開発者に関わる変更
公式発表の「開発者向け」の項目には、次の変更が挙がっています。
- Secrets API:API キーや認証トークンなどの機密情報を、標準化された安全な方法で保存します。保存時の暗号化、認証情報のローテーション、独自のストレージプロバイダーに対応するとされています(Trac #66187)。
- Abilities API の拡張:WordPress のデータへのアクセスやクエリの機能が増え、連携や自動化、AI ツールの基盤として使いやすくなる、と説明されています。
- Interactivity API の拡張:信頼された HTML の描画と、リアクティブなナビゲーションの管理方法が加わります。
- HTML API、ブロックサポート、レスポンシブ対応の改善:マークアップ処理の信頼性を高め、カスタムブロックのスタイル制御を強化します。
- ランダムコンテンツリダイレクト:専用の URL にアクセスすると、ランダムに選ばれた投稿へ移動できます。
このうち Secrets API は、一般にプラグインごとに独自の方法(オプションに保存する、定数に書く、など)で扱われてきた API キーの置き場所を、標準化する試みだと受け取れます。公式発表に出ているのは概要だけなので、具体的な関数名や使い方は Trac のチケット(#66187)と、dev note が公開されればそちらで確認する必要があります。ほかの項目の Trac チケットは、Abilities API が #66268・#64605・#64657、Interactivity API が #66246、HTML API などが #65824・#66150・#65869、ランダムコンテンツリダイレクトが #64498 です。
ブロック設定のインスペクターを DataForm コンポーネントで作り直す変更も、告知に含まれています。ブロックの設定画面を拡張している開発者は、テスト依頼のページを見ておく価値があります。
レスポンシブ設定の拡大と、管理画面の読み込み方式の変更
エディター側の変更は幅広く、公式発表の記載をまとめると次のとおりです。
- レスポンシブデザインの管理:7.1 の改善を広げ、表示幅ごとのスタイル設定を、追加のデザインツールやブロックに広げます。ギャラリーブロックの列数、画像の切り抜き、アスペクト比なども対象です。
- グローバルスタイル:スタイルを変更したブロックを探せる「Customized」フィルターの追加、
- テキストシャドウ:ブロックの設定で調整でき、theme.json にプリセットとして定義できます。
- ナビゲーションの管理:サイトエディターのサイドバーから、項目の追加、整理、編集ができます。
- Notes:絵文字リアクションを追加し、ツールバーにアイコンを置きます。Notes はエディターの余白に表示され、ブロック設定サイドバーと同時に開けます。
- メディアのアップロード:ブラウザ内での画像処理をメディアライブラリにも広げ、アップロード前にリサイズ、圧縮、変換を行えるようにします。サーバーの負荷軽減と、新しい画像形式への対応が見込まれています。
- 管理画面:管理バーとサイドバーの Dashicons を、WordPress のアイコンライブラリのものに置き換えます。スクリプトとスタイルシートを個別に読み込んでキャッシュを効かせ、次に開く画面のリソースを先読みします。
- 「On This Day」ダッシュボードウィジェット:過去の年の同じ日付に公開した投稿を表示します。
継承された値のブロックインスペクターでの表示、フォーム要素のスタイル設定に対応します。
Dashicons の置き換えの対象として書かれているのは、コアの管理バーとサイドバーのアイコンです。プラグインやテーマが独自に出しているアイコンにどう影響するかは、発表からは分からないので、自作の管理画面 UI のアイコンが崩れないか、テスト環境で見ておきたいところです。
Beta 1 のうちに確認したい管理画面まわり
個人的には、Beta 1 のうちに自分のプラグインを7.2のテスト環境で動かしておくことを勧めたいです。管理画面のスクリプトとスタイルシートを個別に読み込む方式(Trac #57548)は、依存関係を宣言せずに動いていたスクリプトがあると、問題が表に出る可能性があります。これはあくまで私の見立てで、発表に書かれた事実ではありません。先読み(プリフェッチ)の追加も、管理画面の挙動に関わる点として覚えておくとよいでしょう。
また、Beta 2 や RC の日付は、今回の公式発表の本文には書かれていません。WordPress 7.2 release party schedule で確認してください。Gutenberg の 23.7 から 24.3 までの機能も7.2に含まれるため、Gutenberg プラグインを使っている環境では、すでに一部を試している場合があります。
参考にした公式情報
- WordPress.org News「WordPress 7.2 Beta 1 is Ready for Download and Testing」(2026年10月20日)
- WordPress 7.2 release party schedule(Make WordPress Core)
- WordPress 日本語版 リリース一覧
2026年10月25日時点の情報です。

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