結論
WordPress用のサーバーは、まず公式の推奨環境を満たすかで選びます。2026年10月時点で WordPress.org が推奨しているのは、次の3点です。
- PHP 8.3 以上
- MySQL 8.0 以上、または MariaDB 10.11 以上
- HTTPS(暗号化通信)に対応していること
Webサーバーは Apache か Nginx が推奨されています。料金や容量は、その次に比べます。ただし、推奨環境の数値は WordPress の更新に合わせて変わるため、契約の直前に公式の要件ページで最新を確認してください。
基本(サーバーとは・何が必要か)
サーバーは、Webサイトのデータを置いて、閲覧者のブラウザに届けるためのコンピューターです。WordPress は「PHP というプログラム言語で動き、記事や設定を MySQL(または互換の MariaDB)というデータベースに保存する」仕組みなので、サーバーには次の3つが必要です。
| 必要なもの | やさしい言い換え | WordPressでの役割 |
|---|---|---|
| Webサーバー(Apache・Nginx) | ページを届ける窓口 | ブラウザからの要求を受けて応答する |
| PHP | WordPress本体を動かすエンジン | テーマ・プラグイン・本体の処理を実行する |
| データベース(MySQL・MariaDB) | 記事や設定の保管庫 | 投稿・固定ページ・コメント・設定値を保存する |
公式の要件ページには、古い環境(PHP 7.4 以上、MySQL 5.5.5 以上)でも WordPress は動くと書かれています。ただし、それらはサポートが終了したバージョンで、セキュリティ上の弱点にさらされるおそれがあると明記されています。「動く」と「安全に使える」は別なので、新しく契約するなら推奨環境を満たすサーバーを選びます。
具体例(料金の見方)
レンタルサーバーの料金は、契約期間とキャンペーンで大きく変わります。2026年10月7日に国内の共用レンタルサーバー2社の公式料金ページを確認した範囲では、次のような違いがありました(税込)。
| 確認した内容 | 例 |
|---|---|
| 同じプランでも契約期間で月額が変わる | 3か月契約 1,320円/月 → 36か月契約 693円/月(キャンペーン適用中の表示) |
| WordPressに使える最安プランの月額 | 36か月契約で 330円/月の例があった |
| 最安プランが WordPress 非対応のことがある | メールや簡単なHTMLサイト向けのプランは WordPress が使えない例があった |
たとえば月額693円で36か月契約なら、693円 × 36か月 = 24,948円を最初にまとめて払う形になります。月額だけを見ず、支払総額と更新時の料金を確認します。ただし、価格は頻繁に変わり、キャンペーンには期限があります。ここに挙げた数字は確認日時点の例で、最新は各社の公式ページで確認してください。
実践のステップ(選ぶ基準5つ)
- 推奨環境: PHP・データベースのバージョンが推奨値以上か。管理画面で PHP のバージョンを切り替えられるか。
- HTTPS: 無料または低額で SSL/TLS 証明書を使えるか。WordPress の公式文書は HTTPS 対応を強く推奨しています。
- 導入のしやすさ: WordPress の自動インストール機能があるか。公式のインストール手順書も、多くのホスティング会社が自動インストールを提供していると紹介しています。
- 安全に触れる手段: SFTP(暗号化されたファイル転送)や SSH が使えるか。公式の Hardening ガイドは、平文の FTP ではなく SFTP の利用を勧めています。
- 戻せる仕組み: サーバー側の自動バックアップの有無、保存期間、復元の手順と費用。
候補は「レンタルサーバー WordPress かんたんインストール」のような言葉で検索して探します。初めての契約は、続けられるかを見るため12か月前後にするのがおすすめです(確認した例では、同じプランで12か月契約は月990円、36か月契約は月693円)。ただし、続けると決めているなら長期のほうが1年あたりは安くなります。この5つを満たす候補が複数あれば、料金・容量・サポートの窓口(メール・電話・チャット)で比べます。
WordPressのサーバーの選び方の注意点
- 共用サーバーの制限: 1台を複数の利用者で分け合うため、PHP の設定や使える機能に制限があります。開発で WP-CLI や SSH を使いたいなら、事前に対応を確認します。
- メール送信: 公式のインストール手順書は、インストール前にホストでメール送信が動くか確認するよう案内しています。パスワード再設定や問い合わせフォームの通知に関わります。
- ドメインとの関係: サーバーとドメインは別の契約です。ドメインをサーバー会社でまとめて取る場合も、更新日と更新料は別に管理します(独自ドメインとDNSの基本|WordPressサイトにつなぐ手順)。
WordPressのサーバーの選び方でよくあるミス
- 月額の安さだけで選び、WordPress が使えないプランを契約してしまう。
- 長期契約の割引価格だけを見て、更新時の料金を確認しない。
- PHP のバージョンが古いまま使い続け、サイトヘルスで「古いバージョンの PHP」と警告される。
- バックアップはサーバー任せで、自分で復元できるかを試していない。
WordPressのサーバーの選び方のチェックリスト
- [ ] PHP 8.3 以上、MySQL 8.0 以上または MariaDB 10.11 以上が使える(契約前に公式で最新を確認)
- [ ] SSL/TLS 証明書(HTTPS)が使える
- [ ] WordPress の自動インストールがある、または手動インストールに必要な情報が分かる
- [ ] SFTP または SSH でファイルを扱える
- [ ] 自動バックアップの範囲と復元方法を確認した
- [ ] 支払総額と更新時の料金を確認した
WordPressのサーバーの選び方のFAQ(よくある質問)
Q. 無料のサーバーでも WordPress は使えますか?
A. 推奨環境を満たし、PHP とデータベースが使えるなら動きます。ただし、広告表示や容量・機能の制限、サービス終了のリスクがあるため、長く運営するサイトでは条件をよく確認します。
Q. VPS やクラウドと、レンタルサーバーの違いは何ですか?
A. レンタルサーバー(共用)は、サーバーの管理を会社に任せられる代わりに自由度が低い形です。VPS やクラウドは自由度が高い反面、OS の更新やセキュリティ設定を自分で行います。初めてなら、管理を任せられる形から始めるのが無難です。
Q. 練習だけなら、サーバーを借りなくてもよいですか?
A. よいです。自分のパソコンに WordPress を動かす「ローカル環境」で、テーマ作りや設定の練習ができます(WordPressのローカル環境の作り方|4つの方式の違いと選び方)。
筆者の見解(WordPressのサーバーの選び方)
サーバー選びで最初に見るべきなのは、価格よりも「推奨環境を満たすか」と「自分で戻せるか」の2点だと考えます。WordPress は本体・プラグインの更新が続くソフトなので、古い PHP に縛られるサーバーや、復元の手段が分からないサーバーは、後から乗り換えの手間が大きくなります。料金は確認日つきでメモし、更新時の金額まで含めて比べるのが、結果的に失敗の少ない選び方だと私は思います。
WordPressのサーバーの選び方の関連項目
- 独自ドメインとDNSの基本|WordPressサイトにつなぐ手順
- WordPressのインストール方法|自動インストールと手動の手順・初期設定
- WordPressのSSL化(HTTPS化)の手順|サイトヘルスでの切り替えと注意点
- WordPressのローカル環境の作り方|4つの方式の違いと選び方
- WordPressのバックアップと復元の基本|対象・頻度・保管場所
